浜松出身者も言う。

「浜松は『やらまいか精神』」とか、荒っぽいと言われるけど、あくまで静岡の中では、ということ。基本的にはのんびりしていると思います」(やらまいか=西部の方言で「やろうじゃないか」の意味)

 地域による気質の違いがわかりやすいのが、それぞれの土地の祭りだ。

神社仏閣の祭礼とは関係がない浜松まつりは凧揚げ合戦と御殿屋台引き回しを行う“市民のまつり”だ

 まずは5月に開催される「浜松まつり」。こちらは「参加」型で、浜松市民の少し荒っぽい気質が現れるイベントとされる。昼は勇壮な凧揚げ合戦、夜は御殿屋台の引き回し。提灯を持って、ラッパや太鼓を鳴らしながら練り歩く「練り」では、時に体をぶつけ合い、おしくらまんじゅうのようにもみ合うこともあるとか。

 一方、静岡市では、「見る」タイプの祭りが多い。桜の季節に行われる「静岡まつり」は、家康公の花見を再現した大御所花見行列がメイン。総勢400名の豪華絢爛な行列が再現され、それを眺めて楽しむ。祭りではないが、「見て楽しむ」といえば、毎年11月に開催される「大道芸ワールドカップ」も静岡市内で行われるもの。世界中からパフォーマーが集まり、観客動員数はなんと150万人を超える。実は県内でもっとも集客があるイベントだ。

 これまで見てきたように、静岡は同じ県内と言ってもさまざまな地域性がある。それゆえ、企業にとっては「テストマーケティングに向いている県」と映るようだ。テストマーケティングとは、新商品などを発売する前に、消費者の反応を確かめるためのもの。

「東京で『新発売!』って売ってる商品を見て、『あれ? 半年前に静岡で食べたけど…』と思うことはよくあります」(藤枝市出身の男性)

 人口構成比、物価や生活費などが全国平均と近く、気候も温暖、いい意味で「ザ・普通」の県、静岡。

 ちびまる子ちゃんのように、ほのぼのマイペースで、これからも突き進んでほしいと思う。

(ライター 高橋有紀)