Photo by Masato Kato

──昨今、ITの世界では、自前のサーバを置かず、コンピュータを使うすべての処理をインターネット上で行う“クラウドコンピューティング”という概念がもてはやされている。伊藤忠テクノソリューションズでは、この流れをどのように整理しているか。

 当社では、企業がクラウドコンピューティングを導入するときに、発注先を選ぶポイントは次の5点だと定義している。(1)データセンター、(2)インフラの構築力、(3)(特定のメーカーに縛られない)マルチベンダーの対応力、(4)アプリケーションの開発・運用力、(5)事業の継続力、である。

 商社系ということもあり、いち早く海外の開発会社の技術を導入できる。たとえば、2007年に国内のライバル企業より早く1台のサーバを複数台あるかのように見せる仮想化技術を持つ米国企業と提携し、効率的にサーバを統合するサービスを拡大してきた。

──クラウドコンピューティングの分野を重視し、同事業の強化に向けた人材育成を始めたそうだが、どんなことをしているのか。

 昨年5月から始めた「クラウドアカデミー」は、入社4~6年目の若手社員を数人選抜し、専任スタッフのいる部署で約5ヵ月間の実務教育をする。