完全自動運転を実現した
VWの“セドリック”
自動運転車の早期実用化を目指して、各メーカーが開発競争を繰り広げている。そんな中、今年3月のジュネーブ・ショーにおいて、VW(フォルクスワーゲン)が斬新な自動運転コンセプトカーを発表し、話題を集めた。
その車名は、セドリック。懐かしい日産車を思い浮かべるユーザーが多いだろうが、VWのセドリック(SEDRIC)は、セルフ・ドライビング・カーの略である。
このセドリック、いわゆる“レベル5”の自動運転車という点が最大の特徴。レベル1~4と異なり、完全な自動運転車として開発された。つまり、ドライバーの運転操作は不要で、すべてクルマ任せで目的地まで行ける未来カーだ。
ドライバーが運転を行わないとなると、従来のクルマの概念はこのセドリックには当てはまらない。スタイリングは、トラムのような洗練されたワンボックスデザインが斬新だ。電気モーター(最高出力130ps以上)で走行し、航続距離は約400㎞。ボディサイズの詳細と、発売時期などは未公表である。
セドリックは、ユーザーを認識して開くドアを設定。両開きのドアの開口部は十分に広く、荷物を持ったままでも乗降は楽。車体の中央から大きく開くドアから室内に乗り込むと、未来的な空間(2+2シート)が待ち受けている。
目を引くのは、ステアリングホイール、ペダル、ダッシュボードがない点。乗員は対面シートに座る。フロントウィンドウは、OLED(有機EL)ディスプレイになっており、各種情報などが表示される。ワイドな室内は、乗員の荷物とスーツケースを置くスペースがある。