「中心管理職」として周囲を回す
「巻き込み仕事術」は、チーム術やプロジェクトマネジメントとは少し違います。
単にメンバーを効果的に管理し、動かす方法ではありません。
味方ゼロ、ないないづくしの私が実践できた背景には、部下から上司、さらには社長まで周りを動かすことで大きな成果を生んだというのが大きなポイントです。
そのためには、いかに周りを巻き込み、自主性をもって動いてもらうかというのが重要になります。
自分の業務はパンパン。周りのメンバーの業務もパンパン。そんな状況のとき、いかにメンバーのモチベーションに火をつけて動いてもらえばいいのでしょうか。
その詳しいやり方については、この度『ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術』(ダイヤモンド社)という本でまとめさせていただきました。
詳しい解説はこの本に譲りますが、大前提となるのが、マネジャーは中間管理職ではなく「中心管理職」だという意識を持つことです。
上と下の板挟みになるのではなく、自分が円の中心となって全方位型に関係する人を雪だるま式に増やし、他人の力を上手に活用していきます。
単に調整役になるのではなく、積極的に周りの力を使って自分では成し遂げられない成果を生み出していきます。
そして、「中心」になるのに、必ずしも役職は必要ありません。
プレイングマネジャーだけでなく、普通の社員でも実践可能です。
かつて私が置かれた環境は、文字どおり味方ゼロ、たった一人からのスタートだったのです。
大切なのは、自分が会社の中でどのポジションについているかではなく、何かを成し遂げようとするときに、自ら円の中心になって、関係するすべての人を動かしていこうする意識なのです。