大きく報道されなかったため、あまり話題にはなっていないが、4月3日(日本時間4日)、ちょっと感動的な出来事があった。
米アリゾナ州にあるフェニックス大学スタジアムで全米大学男子バスケットボールのチャンピオンを決めるNCAAトーナメント決勝、ノースカロライナ大-ゴンザガ大戦が行われたのだが、ゴンザガ大のメンバーに日本出身の選手、八村塁(19)がいたのだ。
試合はノースカロライナ大が71-65で勝利しゴンザガ大は準優勝に終わったし、八村に出場機会はなかったが、この場に日本選手がいること、しかもメンバーのひとりとして出場の可能性があったこと自体、とんでもなく凄いことなのだ。
全米大学No.1を決める
NCAAトーナメントの注目度
3月から4月にかけて行われるNCAAトーナメントは全米が熱狂する一大イベントだ。バスケットボールはアメリカンフットボールや野球と並んでアメリカ人が大好きなスポーツ。その頂点にはプロのNBAがあるが、大学ナンバー1を決めるNCAAトーナメントには、それを凌駕するほどの注目が集まる。
日本でいえば高校野球の夏の甲子園大会の盛り上がりに近いものがある。各地区の予選を勝ち抜いたチームが日本一の座を目指して、負けたら終わりのトーナメント戦を戦う。学校のチームだから毎年選手は入れ替わり、チーム力を維持することは難しい。好メンバーが揃った今がチャンスということで、選手は目の前の試合にすべてを賭けるわけだ。そんな選手たちの必死のプレーがドラマを生み、観る者をひきつける。
地域対抗であることも魅力のひとつで観戦者の多くは地元のチームを応援するが、試合を観ていくうちに、すごい選手や好感の持てるチームを見つけ注目するようになる。そして日本一の座が近づく準決勝、決勝ともなると試合の緊張感は増し、観る側は勝負の行方を固唾を飲んで見守る。