「国民の党」元共同代表の安哲秀候補が追い上げてきた Photo:Lee Jae-Won/AFLO

朴政権の進めた北朝鮮政策や
日韓関係の改善は逆戻りする

 3月10日に朴槿恵大統領が韓国の憲法裁判所によって罷免され、5月9日に大統領選挙が行われることとなった。

 国民の不満により韓国の憲政史上初めて弾劾された朴前大統領だったが、対北朝鮮戦略や日韓関係においては少なからぬ実績を残してきた。

 例えば、北朝鮮問題では昨年2月、国会で、「これまでのやり方、善意では北朝鮮の核開発は止められない。金正恩はいずれ核を実戦配備するであろう。実質的変化をもたらす根本的な解決策を取る勇気を持たなければならない」と演説し、北朝鮮の経済特別区である開城公団の全面中断、地上配備型迎撃ミサイル(THAAD)の配備、米韓合同演習の強化など強硬な姿勢を取ってきた。

 また、日韓関係についても慰安婦問題で合意を導き、この合意を実践するため「挺身隊問題対策協議会(以下“挺対協”)」や「ナヌムの家」に属さない独立した元慰安婦の説得に当たり、7割を超える元慰安婦の同意を取り付けてきた。したがって、本来この問題は一部の活動家とそれに連なる元慰安婦を除いては、解決しているはずであった。

 そんな朴前大統領が弾劾され、大統領選では全ての候補者が朴前大統領とは真逆の政策を掲げて戦うという構図となっている。

 そこで今回は、大統領選の争点となる(1)経済問題、(2)北朝鮮の核ミサイル開発の問題、(3)慰安婦合意を始めとする日韓関係について、現時点で想定される展望を概観してみたい。