Photo by Kazutoshi Sumitomo

──2011年6月で創業から10年を迎えるが、これまでの歩みをどう評価しているのか。

 創業から黒字化まで3年を計画していたが、結局、5年かかってしまった。しかし、この10年は、9.11の米国同時多発テロに始まり、エンロンの不正会計事件、リーマンショックと続き、今回の東日本大震災と市場環境が悪かった。

 そうしたなか、今の資産規模まで拡大できたということで、評価は難しいが70~80点くらい、合格点は取れているのではないか。

 東日本大震災の影響は足元の状況を見る限り、非常に限定的だ。というのも、顧客の地域分布を見ると関東地方がおよそ半分を占め、東北地方は約3%とシェアが低いからだ。今の体力で十分、吸収できる範囲だ。

 貸出残高の9割を占める住宅ローンの需要については、若干の落ち込みを見せている。とはいえ、住居を確保するという実需に基づいた貸し出しなので、ペースが落ちたとしても、市場が一気にしぼむということはないだろう。