スカイライン「60th Limited 200GT-t Type SP」

 “ハコスカ”、“ケンメリ”、“SKYLINE JAPAN”と次々に個性的な姿を見せたスカイラインは、物心がついてからというもの、自分にとってずっと憧れのクルマだった。今もなお、クルマ業界に身を置くのもスカイラインの存在があったからと言っても過言ではない。

 そのスカイラインがこの4月、生誕60周年を迎えた。人間で言えば還暦。まさに熟年と言われる領域の年齢となったわけだ。実は自分も昨年、同じ節目を迎えており、ほぼ同じ時代を歩んできたスカイラインに何か縁みたいなものを感じたのも確かだ。

 そのスカイラインも13代目を数え、これを記念して2017モデルを発表。その装備の一つとして「ボーズ・パフォーマンス・シリーズ」サウンドシステムがオプション設定された。このシステムはプレミアム・パフォーマンスカー向けにBOSEが新たに開発したもので、既に海外では日産の新型INFINITI Q60、2017年モデルINFINITI Q50にも搭載されているが、国内向けとしてはこのスカイラインが初だという。さっそくデモカーをお借りして試聴してみることにした。

 シートに座ってまず飛び込んでくるのがセンターにある二つのモニターだ。上はナビゲーションを表示し、下はコントロール機能を表示するもので、近年ナビゲーションの大画面化進む中で2画面で構成するのは異色の存在だ。しかも、その下には回転式ボリュームとトラックサーチやファンクションボタンが並び、その雰囲気は極めて“オーディオ的”と言っていいものだ。

8型ワイド(上)と7型ワイド(下)のツインディスプレイは必要な情報を一度で視認できる

「ボーズ・パフォーマンス・シリーズ」サウンドシステムはこのシステムに組み合わされるが、これができるのもBOSEが車両開発の初期段階から共同で関わっていたからこそ。

 そして、このシステムで注目すべきなのは、前方定位をきちんと出しながらも広がりのある音場を体験できることだ。それがボーズ独自の「アドバンスド・ステージング・テクノロジー」。これによって同乗者すべてがまるで演奏の中心にいるかのような臨場感を体感できるものとなるのだ。

 さらに、メニューで「Driver's Audio Stage」モードを選ぶと、それまでは全席に対してバランスの取れた音場だったチューニングがドライバー席を中心にしたモードに切り替わる。ドライバーが「ボーズ・パフォーマンス・シリーズ」サウンドシステムの恩恵を存分に受けられるようになるのだ。加えて、従来から採用されている「SurroundStageテクノロジー」により、ドライバーをメインとしても、そうでない全席モードとしても360度包み込まれるような心地よい音場がもたらされる。