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高齢化のスピードが速いアジア

 アジア諸国で高齢者ケアへの関心が急激に高まっている。高齢化のスピードがこのところ一気に進んでいるためだ。「高齢化社会」から「高齢社会」への移行が早い。人口の7%が65歳以上を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」である。その7%から14%への移行が、日本は1970年から1995年まで25年かけた。

 ところが、韓国では2000年から2017年で18年しかかかっていない。タイとベトナムでも、到達時期はまだだが、いずれも同じ18年と見られている。それぞれ、2005年から2022年、2017年から2034年である。

 人口13億人を抱え、一人っ子政策のツケが回ってくる中国はどうか。2002年に7%を上回り、2025年には14%に達すると見られている。この間、24年。やはり日本より短い。

 欧州諸国と比べると、その短さが「異常」だと分かる。英国は1930年から1976年まで46年かかった。ドイツも似たようなものでほぼ同時期に42年。ところが福祉先進国のスウェーデンでは1890年から1972年まで82年もかかり、フランスはなんと114年もかけて1979年にやっと14%を超えた。

 つまり、欧州諸国では、長い時間をかけて高齢化が進んだため、対応策もじっくり検討しながら手を打てた。しかも、経済成長を終えたり、終盤期になってから高齢社会を迎えた。成長の果実を社会保障に振り向けることがたやすい。

 そうはいかないのがアジア諸国。経済の成長期と高齢者の増加が同じ時期で、しかも、かなりの短期間で高齢化率が高まる。対応を急がねばならない。