大きめサイズのホットドッグとソフトドリンク飲み放題のセットが180円(税込み)。
先日、神奈川県横浜市にある米系スーパーマーケットのコストコ・ホールセールの店舗に行ってみたところ、フードコートで売っていたこのセットの安さに驚かされた。ホットドッグにはタマネギやゆでたキャベツ、リレッシュ(ピクルス)などを好きなだけトッピングすることができる。
本家米国の店舗を調べてみると、ほぼ同じセットが1.5ドル(約170円)。しかも、30年以上も値上げしていないという。低価格を維持するために途中で製造会社が入れ替わったりはしているが、そうはいっても米国では驚異的な激安価格だ。この国では一般的に外食インフレが激しいからである(4月20日の本コラム参照)。
それ故、このホットドッグの熱烈なファンはとても多い(なお、米国人に「コストコ」と言っても通じない。彼らは「t」を発音せず、「コスコ」と言う)。
ただし、コストコは、原則的に年会費を支払った人だけが入店できる会員制を採用している(筆者はお試し1日入店券で入ったが)。米国では、この年会費が約5年間隔で5ドルずつ値上がりしてきた。標準の個人会員の場合、1983年は25ドルだったが、今年は60ドルと2.4倍に上昇した(同期間の米国の消費者物価指数は2.5倍に上昇しているので、ほぼ同水準)。
いってみれば、ホットドッグはコストコの低価格戦略をアピールするための事実上の“広告”であり、年会費でそのコストをある程度補っていると見なせるだろう。