コストコのガソリン激安販売がピンチに陥った理由業転玉の減少が、ガソリン価格の上昇圧力につながっている Photo:JIJI

 コストコホールセールのガソリン販売がピンチだ。販売するガソリンや軽油、灯油等の石油製品の仕入れが難しくなっているというのだ。ある業界関係者は「4月以降、コストコが玉(石油製品)を融通してくれないかと、方々に問い合わせをしている」と打ち明ける。

 コストコは郊外にある会員制の倉庫型小売店。中間流通業者を介さない、独自の仕入れ方法によって得られる価格競争力が強みだ。

 生鮮食品や家電、日用品などを扱っているが、2015年6月からガソリン販売もスタート。現在、全25店舗中6店舗が店舗敷地内でガソリンスタンドを運営している。売りはやはり低価格。近郊のガソリンスタンドと比較して1リットル当たり7~8円前後安いことはざらで、車で訪れる買い物客の“ついで給油需要”を取り込んでいる。今やコストコはガソリン市況の価格破壊者となっている。

元売りも圧力?

 そんなコストコのピンチを知って、石油業界関係者は留飲を下げている。

 最大の要因は旧JXホールディングスと旧東燃ゼネラル石油の統合会社で、販売シェア50%超となったJXTGホールディングスの誕生だ。