ダイヤモンド社から5月に刊行されたおカネに関係する本を2冊ご紹介しよう。たまたま2冊ともタイトルに「30代」と付いている。
1冊目は、深田晶恵『30代で知っておきたい「お金」の習慣』(※)。
この本は、老後に心配のないおカネを貯めることができる人のおカネとの付き合い方を教えてくれる。老後に備えるおカネの目標額については、かなり大きな金額がないと不安だとあおるものが少なくないが、じつはそんなに多額でなくてもなんとかなる、という。
銀行口座の持ち方(メインとサブの2口座がいい)や、クレジットカードの使い方(これも2枚がベスト)、さらにおカネの貯め方(給与天引きの積み立てが最良)について説いている。
著者は相談経験豊富なファイナンシャルプランナー(FP)だ。数多くの家計を見ていて、その経験から、十分なおカネをつくることができる家計は、天引き積み立ての利用、保険と住宅ローンでムダがないこと、夫婦両方が長く働くこと、この3点が共通要因だと指摘する。
深田氏は、特に住宅ローンと生命保険に詳しい。平均的な家計と比べて、生涯で、住宅ローン関連で1000万円、生命保険関連で1200万円が節約可能だという。
加えて、著者自身のシンプルで合理的なマネーの扱い方(生命保険を含む)は一読の価値がある。
特筆すべきは、構成とレイアウトが大変読みやすいことで、普通の本の倍の速度で無理なく読める。これから社会に出る新卒の学生に読ませたい。
次にご紹介するのは、投資信託評価会社モーニングスターの社長である朝倉智也氏が著した『30代からはじめる投資信託選びでいちばん知りたいこと』だ。この本は、日本の将来の年金が頼りない(確かに!)と見て、読者が「自分年金」をつくるために、独自の運用方法を提案している。
※ダイヤモンド社書籍オンライン掲載の同書関連連載第1回はこちらです。