フォード・ポリス・レスポンダー・ハイブリッド・セダン。メーカーは「現在のインターセプター・パトカー比で燃費は2倍以上」という

 4月10日、フォードがハイブリッドパトカー、ポリス・レスポンダー・ハイブリッド・セダンを発表(スペックは未公表)した。燃費がよくて、排出ガスが少ない、警察予算と都市環境に優しいパトカーである。

 新しいパトカーのベース車は、フォード・フュージョン。2Lのアトキンソンサイクルエンジンにリチウムイオン電池のモーターを組み合わせ、推定燃費は38mpg(約16.2km/L)。フォードは米国のパトカー製造のパイオニアともいえるが、現在、最も売れているトーラス・ベースのパトカー用モデル、インターセプター(3.7L・V6エンジン搭載)の燃費が18mpgだから、一気に2倍強となる。

 パトカーが活躍する場面といえば、ハイウェイや一般道での激しいカーチェイスをイメージするかもしれない。しかし実際には、低速でのパトロール走行、あるいは違反を待ち受けるネズミ取りのためのアイドリング待機など、どちらかといえば“地味な仕事”が多い。高速道路パトロールを除けば、ハイスピードで飛ばす機会は少ない。

びっくりするほど燃費が悪い
パトカーの常識を変える?

 ところで、アイドリング状態で停止していたり、ストップ&ゴーが続く低速走行はガソリン消費がかさむ。パトカーは大排気量モデルが多く、びっくりするほど燃費が悪い。米国ではガソリン価格が高騰した際に、「ガソリン代が支払えない」と警察組織を大幅に縮小する自治体まで登場したほどだ。

 そんな状況を解決するための省燃費パトカーが、フォードのポリス・レスポンダー・ハイブリッド・セダンである。ハイブリッド効果で、アイドリング時のガソリン使用量は従来の4分の1になる、という。