2003年に個人情報保護法が制定されて以降、セキュリティ意識が高まっている昨今。オフィスに留まらず、家庭においても、小型シュレッダーや専用のハサミなどを常備している向きも多いことだろう。
そうした一連のセキュリティ商品の中でも、とりわけ人気の高いものが個人情報保護用のスタンプである。消したい情報の上に印字するだけで、住所や宛名などを隠すことができる簡便さが受け、ヒット商品となった。
だが、封書で送られてくることの多いダイレクトメールなどは、まず開封するという作業が必要になる。結果的に、個人情報の記載箇所も、“ついでにハサミで裁断する”ということになりがちではないだろうか。
このほど登場した「コロコロケシコロ with レターオープナー」は、その名の通り、個人情報保護用のスタンプとレターオープナーが一体となった製品。開封から中身の確認、個人情報保護までの一連の作業を、一台で可能にする優れものだ。
「ユーザーから個人情報保護の処理に関する意見を集めたところ、『ハサミで開けると切りくずが出てしまう』『誤って中の書類を切ってしまったことがある』といった、封書の開封に関する意見が多く寄せられました。そこで、1枚切り構造のレターオープナーと組み合わせたわけです」(マックス株式会社広報)
同社では2010年に、それまで主流だったプッシュタイプとは異なる「インク転写式+ローラー式」の「コロコロケシコロ」を発売している。今回は、さらにユーザーの声を反映したバージョンアップと言えそうだ。
とはいえ、従来製品に単にカッターを取りつけたというわけではない。開発にあたって、カッター刃の形状の選定には、多くの実験を繰り返したという。刃が出過ぎてしまっては、中の書類を傷つけてしまうし、逆に短すぎると開封できなくなってしまうからだ。
そこで、コンマ5ミリ単位で微調整を加えながら、最適な長さを見つけ出したという。同様に、開封する際の抵抗を抑えるために、刃の角度にも配慮がなされている。また、上質紙やケント紙、クラフト紙といった様々な紙にも対応。「1日に1000通以上、切れ味を試したこともあります」(同)とのことである。
コンパクトで収納しやすく、スタンドタイプのキャップを採用しているため保管もしやすい。机上にちょっと置いておくだけで、必要なときにすぐ利用できることは、確かに便利だ。また、インクカートリッジは交換可能なので、使い捨てではなく、繰り返し使うことができる。
個人情報を自分で守るのは、当たり前の時代。より確実かつスマートに漏えいを防いでくれる“小さな番人”として、活用してみてはいかがだろうか。
(中島 駆/5時から作家塾(R))