ファンドマネジャーとコンサルタント、あるいは運用会社とコンサルティングファームであってもいいが、両者はよく似ている。
まず、どちらの仕事も顧客がいなければ、どんなに有能であっても成立しない。共に、優れた仕事をしていれば、客のほうから寄ってくるものだと涼しい顔をしてやっていきたいビジネスだが、実際にはその成否の大きな部分は営業活動に依存する点が共通だ。
特に、近年、投資信託のような大衆向けのプロダクトは、商品企画と商品の売り方といったマーケティング戦略に大きく依存している。運用会社はコンサルタントにとっての上客(カモ!)になりうることを付け加えておこう。一方、投資家の側では、マーケティングの手口をよく知って、自己防衛に努めることが大事な点は、本欄で何度も述べているとおりだ。
また、運用会社もコンサルティングファームも、「有能な個人」が大事な商品になる点が共通だ。顧客は、自分が投資するファンドのファンドマネジャー個人の手腕に付加価値があると信じて大事なおカネを託すわけだし、コンサルティングファームでも顧客は個々のコンサルタントの能力と仕事ぶりに期待する。
そして、両者は宗教法人型のビジネスモデルである点が共通だ。
運用会社の顧客は、うまくいくかどうかわからない運用におカネを投じる。コンサルティングファームの顧客も、コンサルタントが何を提供してくれるかを正確には知らずに契約を結ぶ。何をしてくれるのかを完全に知っていたら、コンサルティングを依頼する必要がない。