「互助」がほとんど手がけられていない実態

 厚労省の実態調査でも、自治体の間で「互助」への認識が浸透していないことがよく分かる。昨年4月までに「新総合事業」を始めた514市町村を対象に、昨年10月時点で調べた。

 それによると、「訪問型サービス」に参入した事業所は全部で3141カ所あった。そのうち、(1)の「現行を基準緩和したA型」は88.9%で、(2)の「住民主体で運営するB型」は3.9%に止まっている。(3)の「短期集中のC型」は6.8%、(4)の「移動支援」は0.4%となった。

「通所型サービス」でも、3330の事業所が参入していたが、(2)の住民主体型は12.9%で、(1)の基準緩和型が71.7%となっている。(3)の短期集中型は15.5%だった。

 こうした数字を見て、調査結果を報じた新聞各紙は5月18日の夕刊で、「住民主体型の参入低調」(中日・東京新聞)、「軽度介護 新手法が低調」(日本経済新聞)、「軽度介護 参入低調、『訪問』住民主体は4%」(毎日新聞)と報じた。いずれも、住民主体の「互助」のサービスがほとんど手がけられていないと指摘した。

 では、今年に入って肝心の(2)を手掛けている自治体はというと、東京23区では、世田谷、目黒、品川、板橋の4区に過ぎない。首都圏では神奈川県秦野市や千葉県松戸市などが目を引く程度。

 地方に比べボランティア活動が盛んで、NPO法人も多い首都圏でも(2)の「住民主体型」は低調だ。その一因として自治体が、(2)を育成する姿勢に欠けることが指摘できる。

 例えば、板橋区。この1月から10団体が(2)の「通所型B」に手を挙げ事業を始めたが、同区の基準を満たして補助金を得られたのは3団体。利用者がほとんど集まらなかったためだ。ケアプランを作成して利用者を事業者に紹介する地域包括支援センターが十分に機能していなかったようだ。