30分程度の「コメディドラマ」を集中して聞く

 もう一歩進んでリスニングを身につけたければ、『英語リスニングのお医者さん』(西蔭浩子、ジャパンタイムズ)でディクテーションの訓練をするのがいいでしょう。

 ディクテーションとは、リスニング力を伸ばす方法として、聞いた英文をそのまま筆記するというものです。この本では、リエゾンも含め、同化、短縮、変形など、ほかのリスニング本があまり扱わない内容を、テーマごとに克服できるようになっています。

 付属CDの1単位が1分程度なので、短い時間でも訓練できます。私は留学後、通勤中にこの本を使ってディクテーションを練習していましたが、おかげでリスニング力がさらに向上しました。

 上級者には海外ドラマを英語で聞くのも有効です。映画でもいいのですが、あまり長すぎると集中力がもたないことがあります。また映画はアクションシーンなど必ずしも基礎会話ではない時間が長く続くこともよくあります。

 30分程度のドラマであれば、内容的にも飽きがこないですし、最後まで集中して聞くことができるはずです。

 中でも「フレンズ」や「ビッグバン★セオリー」のような、観客の笑い声が挿入されているコメディがおすすめです。米国版吉本新喜劇のようなものなので、最初はまったく英語がわからなかったとしてもそれなりに楽しめます。また、ネットフリックスなどでは英語字幕も出せるので、最初は英語字幕付きで見るとよいでしょう。ただし日本語字幕で観るのは、英語学習の観点からは勧めません。

 コメディは言葉遊びによる笑いが多いため、ちょっとした言い回しや表現の面白さが味わえます。また、笑い声が入っていることにより、「面白いことを言っている部分」がわかります。「なんでこの会話で笑えるんだ」と、予測と反省を繰り返すうちに、いつの間にかドラマで笑っている自分に気づくことでしょう。

(本原稿は、侍留啓介著『新独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』より抜粋・編集して掲載しています)