東日本大震災の影響を受け、全国的に節電ムードが高まっているのは、言うまでもないことだ。
しかしながら、昨年のように連日猛暑日が続いた場合、どうしてもエアコンを多用したくなる。我慢を続ければ、屋内でも熱中症を引き起こし、最悪、死に繋がるケースもある。
総務省が発表した平成22年度8月の熱中症患者に関する報告によると、救急搬送人員は2万8448人と報道されている。ちなみにこれは、平成21年度8月救急搬送人員6495人の4.38倍、平成20年度8月救急搬送人員8857人の3.21倍となっているというから、いかに昨年が暑い夏だったのかがよくわかる。
節電をしながら熱中症にならないようにするには、十分な水分補給が必要なのはもちろんだが、体温調整に効果的なグッズが数多く発売されているので、いくつか紹介してみよう。
ご存知のとおり、首には血液が多く流れる太い血管「頸動脈」があるので、冷やすと効果的で、効率よく体温を下げることができるという。たとえば、「クールビットチューブ」というグッズ。非常に強力な吸水・吸湿パワー繊維「ベルオアシス」を使用しており、自重の80倍の吸水性能が長時間の気化熱冷却を保つことができるという特長を持っている。
さらに、難燃性や消臭性能も持ち合わせており、作業の安全性と快適性にも優れているため、外出先や外での作業にも適している。生地はメッシュになっていて通気性も肌触りも良いし、デザイン的にもスカーフのように使用できるのが嬉しいところだ。
次は「パッとCOOLネッククーラー」というグッズ。タオル状の製品なのだが、なんと振るだけで冷たさが蘇るというのだ。実験結果が公開されているので、簡単にご紹介する。
1.「パッとCOOL」を熱湯に付ける
2.熱湯から取り出した「パッとCOOL」を絞り温度を測定すると40.7度
3.そのままパンパンと強く5回程度振る。それだけで、25.5度まで温度が下がった
4.さらに2分後には22度まで温度が下がった
5.そのまましばらく、首に巻きつけてみる
6.当然ながら温度が上がった(測定温度26度)ので、もう一度「パッとCOOL」を5回程度振ると、なんと21.8度まで「パッとCOOL」の温度が下がってしまった
これには驚いた。事務所や工場の中だけでなく、外で仕事をされる方にとっても効果的な暑さ対策グッズといえるのではないだろうか。
その他にも、「冷か朗」(つめたかろう)というグッズもある。こちらは首筋はもちろんのこと、「大椎」という風邪をひいて発熱したときにマッサージすると熱を下げる効果が高いと言われる「ツボ」を冷やすことが可能なため、さらに効果が高いという。
「クールマックス」という綿の5倍の速さで汗を吸える繊維と「クールビットチューブ」でも使用されている「ベルオアシス」を組み合わせて作られているため、さらに熱中症対策に効果が期待できる。首だけでなく「ツボ」も冷やすという着眼点が素晴らしい。
価格も「クールビットチューブ」は1780円、「パッとCOOLネッククーラー」は1890円、「冷か朗」(つめたかろう)は1890円と、リーズナブルなのも嬉しいところだ。
節電に取り組んだために、熱中症になって死亡者が出るなどということは決してあってはならない。ぜひとも、今回ご紹介したグッズなどを利用して、熱中症に気を付けて欲しい。
また、節電は必ずしも東日本大震災が起こったからすることでもない。元来、もっと真剣に考えていなければならないことであった。節電対策は、今年だけではなく、夏だけではなく、長期的に取り組んでいかなければならない大切なことだと改めて考えさせられた。
(木村明夫/5時から作家塾(R))