訪日外国人客の急増でホテル不足が懸念されている昨今、クローズアップされているのが「民泊」だが、一方で、日本には従来から「民宿」が存在する。「料金の安さ」と「畳に布団」というスタイルが受けて、今、外国人の間で民宿人気が広まっている。(ジャーナリスト 姫田小夏)
鹿児島県を取材に訪れたとき、筆者は志布志市有明町の民宿に滞在した。「すず風」という屋号の木造一階建ての民宿で、築年数も浅い宿の居心地は抜群だった。価格もお手頃だが、何より寝具の清潔感がうれしかった。
自身がバックパッカーだったという増田禎朗さんが10年にわたって経営するこの宿は、民宿予約サイト「ブッキング・ドットコム」での書き込み評価が大変高い。運営サイトから表彰されたこともあるという、外国人に密かに人気の宿だった。
筆者が泊まったその日、ほかにも外国からのゲストが来ていた。増田さんは「鹿児島空港へのLCCの乗り入れに伴い、日本の最南端である鹿児島にもたくさんの外国人が訪問するようになりました。今日はドイツ人2人とマレーシア人2人がいます。前日はタイ人も滞在していました。最近は中国からのお客さんもいます」と語ってくれた。