日系企業を経て、外資系証券会社へ勤務後、お金のふやし方を学び、現在、1億円を超える年収がある著者:生形大氏が書いた『9割の日本人が知らないお金をふやす8つの習慣』。本連載では、本書の内容のダイジェストで構成したものを紹介する。
リスクとリターンは表裏一体の関係
投資にはリスクがつきものです。リスクがなればリターンもありません。
たとえば銀行の定期預金にはほとんどリスクがありません。銀行が倒産したとしても1行につき1000万円までの預金は保護されるルールになっているからです。その代わりに得られるリターンは微々たるものです。
株式投資では、買った株の値動き次第で大きなリターンが狙えます。数日のうちに株価が倍になることもあります。その反面、株価が大幅に下落したり、ゼロになったりするリスクもあります。
このようにリターンとリスクは常に表裏一体の関係にあります。リスクが高い商品はリターンも高く、リスクが低い商品はリターンも低いのが原則です。
自分でコントロールできるリスクと
どうにもできないリスクの違い
リスクには自分でコントロールできるリスクとできないリスクがあります。
元金を減らしたくないと思ったとき、たとえば株式投資の場合は、銘柄を分散することによって、会社の倒産や暴落のリスクを低減することができます。分散する数が多ければ多いほど、全体として値動きがマイルドになります。
しかし、リーマンショックのように相場全体が下がる出来事が起きてしまった場合は、いくら分散していても大きな損失は免れません。ほとんどの素人投資家はその1回の思わぬ損失で多大なダメージを被り、マーケットから退場を余儀なくされます。
本当にリスクをコントロールするなら、そのようなショック相場が起こることも想定して空売りを織り交ぜるなど、より高度な分散をする必要があります。
証券会社によっては、株価が設定した金額以下になった場合に、自動的に売却できるストップロス注文を設定できる場合もあります。ストップロスを設定しておくと、損失を最低限に抑えることができます。
また株式投資だけでなく、債券や金などの実物資産などを織り交ぜることでより分散を図れます。さらに投資対象とする国も、国内外を交ぜれば国際分散投資になります。 ただしそういった分散投資を素人が行うにはハードルが高く、分散するために多くの軍資金も必要になります。そして分散するとリスクは小さくなりますが、結局リターンも小さくなるというジレンマがあります。