『ビジネス数字力を鍛える』グロービス[著]田久保義彦[執筆]定価1680円(税込) |
最近、数字を扱ったビジネス書がたくさん出版されていますが、この本では、ビジネスにおける数字力を、「数字を作る力」と「数字を読む力」の2つに大別し、それぞれを鍛える考え方、方法論(「数字力を高める7ステップ」など)を提案しました。
各章の構成は、「そういうことあるなあ」と思わずうなずいてしまうような臨場感あふれるミニストーリーと、解説という形をとっており、「数字力」の高め方を数式を使わずにわかりやすくひも解くよう工夫しています。解説部分は、私が教鞭をとる、グロービス経営大学院の「ビジネス定量分析」というクラスの内容をベースにしています。
多くの方が実際のビジネスの場で悩まれるポイント、陥りがちな“ワナ”などをどう克服するか――本書は、そんなことにお答えできるように、学生の皆さんとのコミュニケーションの中から抽出した「ビジネス現場視点」を大切にしながら書きました。
ビジネスの現場で使わないような難しいコンセプトはいっさい出てきません。それよりも、単純な四則演算でどこまで何ができるのかを、徹底的に考えています。数字を扱うテクニックが高度になればなるほど、理解できる人の数は減り、実務上、役に立たなくなる=効果が薄れることが多いのは想像に難くないことだと思うからです。
数字を「読む」うえで大切なこと――
数字には意図があることを認識する
「数字は作った人の意図が入っているから、本当は絶対的な客観性などはないのです」
こういう話を大学院のクラスですると、多くの方が少し驚かれたような表情をされます。数字は客観的であり、反論されない根拠を作れるものだと信じている方、そして、その数字を作るテクニックを身につけさえすればとお考えの方がかなり多いのです。