集団思考に陥るか否かは
リーダーの資質によるところが大きい

 これを実践したのが、同じケネディ政権が行ったキューバ危機への対応だ。一触即発で核戦争が起こりかねない状況を回避し、さらにキューバへの核配備を防いだケネディらの対応は賞賛された。彼らは、しっかりと自己学習できていたのだ。

 ここまで列挙した方法の最も重要な肝は、メンバーから様々な意見が出され、それを偏見や思い込みなく、皆で議論できるような環境をつくることができるように、リーダーが配慮することが重要だとわかる。つまり、集団思考を避けるためには、リーダーの役割が非常に大きい。

 これをビジネスに当てはめると、取締役会に限らず、会議では、リーダー、すなわち議長のリーダーシップが重要だということがわかるだろう。本来、会議はさまざまな角度から問題をとらえ、多様な意見を吟味、精査しベストな結論を出す場である。リーダーにはそれを引き出す責務がある。

 だが、集団思考の危険性を知らないリーダーは、真っ先に自分の主張を述べ、他の参加者を説得しようとする。それをもって「自分は高いリーダーシップを発揮している」と誤解している人も多い。

 「3人寄れば文殊の知恵」という諺は嘘ではないと筆者は信じている。だが、文殊の知恵を引き出すには、相応の知識とスキルが必要なのである。