もしもっと思い切った戦略を取るのであれば、④多角化戦略に該当する演歌デュオ、お笑いグループ、本格ミュージカルなどへの進出も考えられます。特に過去に正統派アイドルグループから演歌歌手に転身して成功した例もあることから、演歌分野への進出もなくはないでしょう。演歌デュオは、いわば異種格闘技です。

 “乃木坂46”がもっとも避けた方がいいと思われるのは、AKB48と同じような正統派女性アイドルグループです。同じ正統派では、カニバライゼーション(人気の食い合い)を起こしてしまい、人件費、宣伝費などコストが大幅に増加する割には、売上は増加しないというリスクがあります。相乗効果を考えるなら同じ正統派よりも、違う特徴を持った新グループの投入が望ましいと思われます。

 結論として、“乃木坂46”がどんな形態になるかを予想すると以下のようになります。

本命:不良系グループ
対抗:ガールズバンド
大穴:演歌デュオ

 実際の乃木坂46がどんな形態のグループになるのか、それがAKB48のプロジェクト全体にどのような相乗効果をもたらすのか、マーケティングの観点からも注目して見ていきたい話題です。