次の一手は、「乃木坂46」?
自らライバルを作り出す戦略の意図は?

 実はこの次の一手になりそうな動きが6月29日に発表されました。“AKB48公式ライバル「乃木坂46」”のオーディションです。NMB48、SKE48がAKB48の姉妹グループという位置づけだったのに対し、今回の乃木坂46はライバルという位置づけになっています。この夏にオーディションを行い、秋にはデビューのスケジュールで、人数は20人程度が想定されています。

 芸能界にしろ、スポーツ界にしろ、ライバルは自然発生的に生まれてくるものですが、初めから公式ライバルとしてオーディションを行うというのも珍しい試みです。唯一これに近い形では、プロレス最盛期の軍団抗争が思い浮かびます。正統派軍団、悪役軍団、外国人軍団、マスクマンなどがグループを形成し、プロレス興業を盛り上げていました。

 AKB48は正統派アイドルですので、ライバルとしては悪役系とマスクマンを作り出したいところです。したがって非常にオーソドックスに考えると、乃木坂46の第1候補は悪役的な不良系グループです。

 また、一方で過去の男性アイドルグループでは、正統派のデビューの後に、バンド形式で別の個性を出したグループをデビューさせるという戦略も何度か取られてきました。ガールズバンドは、アニメ「けいおん!」で盛り上がっている半面、近年は有力なバンドが見当たらない状況から、一つの大きな選択肢になるでしょう。ガールズバンドは位置付け的にはマスクマンの位置付けです。不良系グループとガールズバンドは、戦略カテゴリーでいうと、②商品開発戦略です。