「ドン ペリニヨン P2-1998」は1998年に第二のプレニチュードを迎えたもの(ギフトボックス入り750ml 5万3000円・税別)


 名シャンパーニュの代名詞といえるドン ペリニヨン。その倍の時間をかけて熟成されたのがP2(ドン ペリニヨン P2)だ。

 16年の熟成を経て、二度目のプレニチュード(熟成のピーク)に達した「ドン ペリニヨン P2-1998」がリリースされたことが話題を呼んでいる。

 ユニークな名前は、熟成を意味するフランス語「プレニチュード」から。通常のワイン用語ではなく、この特別なシャンパーニュのために考えられたネーミングだという。

ドン ペリニヨンがプレニチュード(熟成)を待つフランス本国のセラー

醸造最高責任者が語る
ドン ペリニヨンたるゆえん

「ワインは一定の波形で熟成をしていくわけではありません。熟成が最初のピークに達したあと、次のピークがきます。二度目のピークでリリースするのがこの“P2”です」

 ドン ペリニヨンの醸造最高責任者を務めるリシャール・ジェフロワ氏は、日本でのリリースに合わせて来日したとき(2017年5月)のインタビューでそう語った。

「第二のピークがくる時期は計算できません。ワイン(シャンパーニュ)が語りかけてくるんです。わたしの心に大きな声で」

「人間の人生にもプレニチュードは何度もあります」と語る哲学的な面を持つリシャール・ジェフロワ氏

 第二の熟成が存在することはドン ペリニヨンの作り手の間で知られていたことだったという。ただし、そこまでワインを寝かせるのはビジネス上の冒険でもある。

 ワインはできれば早くリリースしてなるべく多く売りたい。それが一般の作り手が考えることだ。そうしないのが、最上級のシャンパーニュを手がけるドン ペリニヨンのドン ペリニヨンたるゆえん。

「その熟成期になると、より大きな存在になります。ワインに力がみなぎり、複雑さがより深くなります。テイスティングをするとそれがよく分かります」

 作り手もがまん(!)して、すばらしい味わいのプロダクトを消費者に届けるために、これほど長い年月をかける。それだけでもすばらしいストーリーではないか。

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