「本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか?「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」が「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

「イヤ」と伝える
きっぱり「いらない」と言うことが一番ハードかと思いきや、まだ先があります。
それでも相手が干渉してきた場合、「感情」を伴う拒否をしましょう。
感情は言わば、切り札です。「私、これが好き」「これが嫌い」という言葉には、強いインパクトがあります。
中でも「イヤ」は、きわめて直球の感情表現です。
「これ以上踏み込まれるのはイヤ。やめて」
他に解釈のしようがない、強い拒否です。
顔の表情も厳しめにしましょう。眉間にしわを寄せて、両手のひらを相手に見せて「ストップ」のジェスチャーもつけるとさらに印象的です。
ただし、声のトーンは抑えめに。大声を上げるのも良くありません。
この局面で「イヤ」と伝えたとしても、それは「あなたとこれからも関わっていきたい」と思うが故のことです。ヒステリックな対応になってしまうと、その願いに逆行します。
「余計なお世話」「むかつく」
「ズカズカ踏み込んで、厚かましい」
「いい加減にしてよ」「最低だな」
「無神経」「うっとうしい」
「もう無理!」「偉そうに!」
「あんたには我慢できない!」
このような言葉は、拒否を超えた「非難」や「侮辱」にあたります。相手との関係性を壊す毒素を、ここで放出させてはいけません。
「イヤ」と言えた自分を労う
感情に流されずに感情を伝える、難しいコミュニケーションです。あなたにも非常にストレスがかかります。
ですからその夜、家に帰ったら、自分で自分を癒しましょう。
温かいものでも食べて、お風呂に入って、早めに寝ましょう。
ベッドにもぐりこんだ後も、「言ってよかったかな」「言い過ぎたかな」という思いが頭の中を駆け巡ると思います。
そのときは「『イヤ』と言えた自分」を労ってあげましょう。
相手の受け取り方はどうあれ、自分は関係を深めるために行動したのだと。それで離れていくなら、それも相手の自由だと。
ここまで読んだあなたは、そろそろ次のようなことが気になっているかもしれません。
「関係を深めるための『イヤ』だってことを、相手に教えてないよね?」
「『仲を壊したくないからこそ、言うんだよ』って伝えちゃだめ?」
ここは難しいところです。絶対だめとは言いませんが、「関係を壊したくない」ことを伝えるリスクはあります。
中途半端な温情が相手への「呼び水」になり、再び相手の干渉を引き起こしかねないのです。
次に相手に会ったときに「この間、きついことを言ってごめん」という言葉も言いたくなるかもしれませんが、抑えましょう。
何度言っても境界線を踏み越えてきたのは相手のほうです。「ごめん」を言うなら、それは相手の役目です。
こちらからは、これ以上何も言い足さないのが賢い選択でしょう。
(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)