しかし、3メガの経費率と比較すると、りそなHDの方が低いことが分かる(図(3))。3メガは業務粗利益の減少もさることながら、経費の上昇に苦しんでいる。海外ビジネスの拡大に伴う店舗網や人員の拡大、国際規制への対応などに掛かるコストが青天井になっているからだ。

 一方、りそなHDは前述の通り、この数年は経費の絶対額を横ばいにコントロール。さらに、りそなショック前の03年3月期には約4300億円あった経費を、17年3月期には3000億円強まで削減した(傘下3銀行合算ベース)。

 その内訳を示したのが、図(4)だ。りそな銀行経営管理部の古土純グループリーダーによると、「経費削減に大きく寄与したのがITコスト」だという。

 りそなショック直後の大改革が一段落した05年3月期以降の推移を見ると、ピーク時には約670億円あったITコストは、17年3月期には500億円を切り、4分の1も削減することに成功した。

 その中でも重要だったのが15年に実施した基幹システムの更改だ。当初は短期間で2段階の更改を実施する予定だったが、手順が増える分だけコストも掛かる。そこで、親密ベンダーである日本IBMと打ち合わせを重ね、万全を期した上で一足飛びに最新版への更改を実現させたという。

 実は、りそなHDのシステム担当役員はIT業界でも有名人。定期的に渡米して、米IBMなどを訪れ、役員自身が最新技術を吸収している。ありがちなシステム投資をベンダーに丸投げという姿勢では、一足飛び更改での経費削減の実現は不可能だったはずだ。

 また、経費削減において絶対額での貢献度が大きかった物件費では、店舗などの物件で家賃が近隣相場を超えているものを洗い出して、愚直に値下げの交渉をするという地道な努力も重ねてきた。

 一方、顧客サービスの向上につながるものや次世代型店舗の展開といった攻めの投資に対しては、厳選した上で、ケチらずに投資を続けている。かつてはシステム更改や制度変更への対応といった受け身的な投資に資源配分の大半が割かれてきたが、今では攻めの投資への配分が6割を超えるという。

 また、りそなHDのシステムにはさらに何十行もの地銀が参加できる余裕があるため、関西アーバン銀行とみなと銀行が合流しても多額の追加投資は必要なく、一方で合流2行は顧客サービスの向上が見込めるだろう。

 ただ、りそなHD傘下3行と同レベルのシナジーを発揮するには時間を要する。というのも、「3行が一つの仕組みで動けるように事務処理やシステムを共通化し、コストを1+1+1=1.5ほどにできている」(三嶋進也・りそな銀行経営管理部グループリーダー)ことも、高効率経営の鍵だからだ。

 独立した銀行としての“表看板”を保ちながら“舞台裏”を実質一つにするには、現場の業務のやり方をそろえる必要がある。それには相応の時間を要するだろう。