新潟県の地方銀行で最大手の第四銀行(新潟市)と二番手の北越銀行(長岡市)が経営統合する方向で最終調整に入ったことが、16日分かった。
4月にも基本合意を交わした上で、2018年春をめどに統合を目指す。統合の形態は共同持ち株会社を設立して、2行が傘下にぶら下がる方式を検討している。将来的な2行の合併も視野に入れる。
2行は統合による規模の利益の追及などによって経営効率を高め、今後の生き残りを図る。
2016年9月末時点での2行の連結総資産額を単純合算すると、8.2兆円。統合が実現すれば、全国の地銀約100行・グループの中で10位台に浮上する、大規模な地銀グループが誕生することになる。
2行を経営統合へと突き動かした要因は大きく二つ。ここ数年で相次いでいる他の地銀再編と同じく、地元地域の人口減少と超低金利環境だ。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2行が地盤を持つ新潟県における25年時点での15~64歳人口は、10年時点と比べて約2割も減少するという推計結果(13年3月推計)が出ている。
また、足元の経営環境も16年2月の日本銀行によるマイナス金利政策の導入以降、一層厳しさを増している。超低金利の状況において、預金と貸出金の金利差である利ざやの縮小が進んでいるためだ。対前年同期比で見た、2行の16年4~12月期決算における業績がそれを示唆している。
一般事業会社の営業利益に当たる実質業務純益では、第四銀行が26.7%減の117億円、北越銀行が18.9%減の65億円。さらに、連結経常利益では2行共に3割以上の減少という苦境に陥っている。
この状況が長く続けば、将来的に地元である新潟県の地域金融を支えられなくなるかもしれない。そんな危機感が2行を統合交渉のテーブルに着かせた。