本当の意味で買えるファンドは少ない

竹川 それにしても中野さんが書かれた本のタイトル『投資信託は、この8本から選びなさい。』というのを目にした時、確かに、今の日本に買えるファンドは少ないなと思いました。

中野 これは、決して誇張でも何でもなくて、ある一定の基準でスクリーニングをしていくと、本当に、個人が買っても良いと思える資産作りに向いたファンドの本数って、とても 少ないんですよ。

竹川 この本に載ってるデータによると、今年の1月末時点で設定・運用されている投資信託の数は2621本となっていますね。確定拠出年金用の投資信託なども含めると3740本だとか。

対談の内容は辛口でしたが対談は終始なごやかムードでした!

中野 多くて選べない人の気持ちがよくわかりますよね(笑)。今回、私が行ったスクリーニングの条件については、いろいろな意見もあるかとは思いますが、世界へ分散投資をしている国際分散型ファンドを基本としました。もちろん、自分でポートフォリオを組むことができるという方であれば、異なる投資対象を持った複数のファンドを揃えて、自分で運用すれば良いのですが、大方の人は、そこまで運用に努力と時間を費やしたいとは考えていないでしょう。

 その意味では、これ1本ですべての用が足りるという国際分散型ファンドが望ましいと思います。

竹川 今回はそうした条件で選んだら、8本になったというわけですね。投資信託は本来、手軽に分散投資をして、個人が資産を作るために利用したい商品です。でも、日本で純資産残高が大きい、いわゆる売れている投資信託のランキングを見ると、上位に来るのは分配金を毎月出すとか、ブラジル通貨が選べるような通貨選択型であったりというように、かなり特殊な仕組みを持ったファンドばかりですよね。恐らく、この手のファンドは、個人が自発的に選んで買ったというよりも、販売金融機関に買わされているという側面が強いのではないでしょうか。

中野 そうですね。先ほど、竹川さんが触れていた投資信託協会のアンケート調査の回答でもありましたが、投資信託を購入するきっかけとして、販売金融機関から勧められるままに買ってしまっている方がとても多い。販売金融機関は手数料を稼ぐのが仕事ですから、それは当然、自分たちが売りたいと思うものを勧めてくるでしょう。でも、その口車に乗せられている限り、投資信託できちっとした運用はできません。つまり、投資信託は買わされるものではなく、もっと自分で選んで買うという意思を持つ必要があるのではないでしょうか。

竹川 投資信託という商品の仕組み自体は素晴らしいものなのに、販売金融機関によって歪められている面があるというのは、残念な話ですね。


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