中国で訪日旅行がトレンドになる中で「日本を体験した中国人」が増えている。そうした状況を受けて、上海の「日本のブランド市場」も大きく変貌を遂げる。“日本式デパ地下”などで上海小売業界にエポックメイキングをもたらし、“日本食の市場”を開拓した「久光百貨」に関わった4人のプレーヤーに、現状と今後の展望について聞いた。(敬称略)
流行の最先端に敏感
ブームも一瞬で終わる
石橋修 上海の最近の変化と言えば、みんなが日本に行くようになったということでしょうね。「日本なんて私は行けない」「日本なんて遠い夢」と思っていた従業員が、今や「日本で何が流行っているの?」と聞いてくるんです。若い人たちは日本人が知らない流行すら知っているんですよ。
小坂達史 久光百貨は2003年の開店当時、中国には「ないもの」がほとんどでした。開業時は売りたいものも絞らずに始めたくらいです。そのときと比べたら売り場もずいぶん変わりましたね。