『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』
本間 浩輔 (著)
ダイヤモンド社刊 1944円

 かつての長期雇用が保証されていた時代、会社と社員は家族のような関係だったかもしれません。しかし、今は家族からチームに変わってきたように感じます。

 チームのなかで、社員はプレイヤーとして市場価値に応じた給料を得て、高いオファーがあれば、ためらわずに移籍していく。そのような時代になりました。

 2012年に思いがけず人事部長に任ぜられたとき、私は、それまで当たり前とされてきた会社と社員のありようそのもののギャップを修正していく仕事が必要になると考えました。

 組織と働く個人の関係性を見直し、お互いがパートナーとして適切な関係を保ち、その結果として、社員の利益と会社の利益が、最大化するような仕組みをつくることを理想と考えたのです。

 その考えを言葉にしたのが「人財開発企業」というスローガンです。このスローガンには、会社と社員は主従ではなくパートナーであり、会社は社員に給料を正しく払うだけでなく、社員の成長にも貢献し、社員の成長によって会社も成長していくという意味をこめました。

いろいろな人が見ていてくれて
出会いによってキャリアが拓ける

 1on1はヤフーが人財開発企業を目指すうえで、非常に大事な手法だと考えています。それは経験学習を促進し、社員の才能と情熱を解き放つための手段であるからです。

 もっとも1on1だけで、その2つが実現できるわけではありません。