マインドフルネスの授業開講のきっかけ
学生評価で全授業中第2位に

スタンフォードのエリートが「マインドフルネス」に魅了される理由佐藤智恵氏

佐藤  マインドフルネスを教えている経営大学院はまだ少ないと思いますが、2012年に「マインドフルネスと思いやりのリーダーシップ」という授業を開講したきっかけはどんなことだったのでしょうか。

ワイス きっかけは、スタンフォード大学経営大学院の卒業生の一言でした。彼は私が研究しているマインドフルネスと思いやりについて興味を持っていて、「マインドフルネスというのはリーダーにとって、とても重要なコンピテンシー(能力)だと思うよ。スタンフォードの学生に教えてみてはどうだろう。学生がどんな風に変化するか見てみたいね」と勧めてくれました。

 折しも、私のもとには、エグゼクティブ講座を履修した多くの方々から、「こんな重要な講座はなかった」「マインドフルネスは人生に多くの意味を与えてくれた」といった声が寄せられていました。こうした反響とともに、経営大学院にマインドフルネスの講座を提案したところ、すぐに教えることになったのです。

 これは昨年、学生から聞いた話なのですが、「マインドフルネスと思いやりのリーダーシップ」は、スタンフォード大学経営大学院の全授業の学生評価ランキングで第2位だったそうです。毎年、定員がすぐに埋まってしまって、多い時には100人もの学生がウェイティングリストに登録しています。

佐藤 なぜこれほどの人気授業になったと思いますか。

ワイス その理由は2つあると思います。1つめは、マインドフルネス、コンパッション(他人を思いやること)、セルフコンパッション(自分を思いやること)、というそれぞれの概念について、理論と実践の両方を学べること。ビジネスの世界でマインドフルネスという言葉は最近よく聞くけれど、それが一体何なのかはよくわからない。だから授業で体系的に理解したいのだと思います。