今回ANAが組むのはLCCの雄エアアジア(写真はCEO)
Photo:AFP=時事

 今年1月に中国の投資ファンドと共同で関西国際空港を拠点としたLCC(格安航空会社)「ピーチ・アビエーション」を立ち上げたばかりの全日本空輸(ANA)が、新たに成田空港を拠点とする別のLCCを設立する。

 提携相手は、アジア最強のLCC・エアアジア(マレーシア)。新会社の社名は「エアアジア・ジャパン」となるが、50億円の資本金は折半する。

 ただし、日本の航空法では外資の出資比率を3分の1未満に抑えることとなっているため、議決権はANAが67%を握り、エアアジアは33%。エアアジアは残りを、議決権のない優先株として保有する。

 新会社の設立は8月中、そして来年8月には就航開始を目標とする。路線などは未定だが、国内線・国際線ともに運航する予定だ。関係者によると「アジアのみならず、オセアニアやハワイなど、中距離路線も視野に入れている」という。価格は、通常のエアラインの3分の1から4分の1程度となる見込みだ。

 エアアジアとの話し合いは、じつは3年以上前から始まっていた。故・山元峯生前社長時代から、LCC到来に危機感を持っていたのだ。エアアジア側としても、発着枠がタイトな日本では、提携によってANAの発着枠を使えるというメリットがある。

 ピーチと違い、今回の提携相手はLCCの雄。ノウハウはふんだんに持っている。将来的には売上高2000億円超、営業利益率12%超を見込むなど、鼻息は荒い。JALもLCC設立を検討しており今後、急速にLCCが航空業界のメインキャストに躍り出ることになりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)

週刊ダイヤモンド