外税方式に戻して欲しい
という事業者からの声
前回この欄で、「消費税率はいつから、何%引き上げるべきか」と題する文章を書いた。その中で、「消費税は価格の値上げを通じて消費者に負担を求める税なので、デフレ経済下では、下請け、孫請けが元請けに、あるいは商店が顧客に消費税増分の価格転嫁をできず、自らのマージンを削って負担する『損税』を生じさせかねない」ということを書いた。
これに対して、私のところにいろいろな方から意見・投書をいただいた。その中で、私が注目すべきだと思ったのは、事業者の方からの次のような意見である。
「『損税』が生じる原因の一つは、『総額表示』にある。『総額表示』のもとでは、消費税率の引き上げの際に消費者側が、値上げだと思ってしまうので、価格を容易に上げることができない」という意見である。
そこで、「以前のように、レジ等で消費税を課税する、『外税方式』に戻してほしい」ということになる。
平成16(2004)年4月1日以後、法律改正が行われ、消費者に価格を示す場合には、それまでの「外税表示」(税抜き価格表示)から、消費税額を含む価格の表示(「総額表示」)を事業者に義務付ける改正が行われた。
この理由について、財務省ホームページは以下のように解説している。