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 今年に入り、ボイコット運動を起こされるわ、セクハラ問題で炎上するわと、トラブル続きのウーバー(配車サービスのベンチャー企業)に、またも難題が。カリフォルニア州が、ウーバーに対して110万ドル(約1億2500万円)の罰金を科す可能性が高まっているのである。理由は「飲酒、もしくはドラッグを使用した状況で運転していた」と顧客から寄せられたドライバーに対する苦情に、迅速に対応しなかった、というもの。

 カリフォルニア州は飲酒やドラッグ影響下の運転に関して“ゼロ・トレランス(問答無用)”という方針で、厳しく対処している。ところがウーバーにはこうした苦情が2014年8月から1年間で151件も寄せられていた、という。平均するとおよそ2日に1件だ。苦情が事実であれば、危険に直結するだけに看過できない。

 州政府はこのような苦情があった場合、「タクシー、ハイヤーなどのライドサービス業者は直ちにドライバーに事情聴取を行い、事実が確認できれば即座に停職処分にする」と定めている。ところが151件の苦情に対し、ウーバーが停職処分にしたドライバーはたったの3人。そのうえ、少なくとも64件に関してはウーバーはほとんどなんのアクションも起こさず、苦情対象となったドライバーは苦情が寄せられてから1時間以内に別の顧客を乗せていた業務実態が判明している。

 州政府は「州のゼロ・トレランス規制に従わないことで、ウーバーはその顧客ならびに公共に対し大きなリスクを負わせた」として、今回の110万ドルの罰金を求める提訴に踏みきったのだ。