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株価やGDPだけでは、景気の動きは読みきれない。実は国際物流の現場では、「どれだけコンテナが動いているか」というデータが、消費や貿易の変化を映す重要な指標として注目されている。コンテナ輸送量は世界経済や為替、さらには株価の先行きをどう映し出すのか。本稿では“モノの流れ”から景気を読み解く視点を解説する。※本稿は、経済学者の松田琢磨『コンテナ海運が世界を動かす』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
輸入側の実質GDPと
コンテナ輸送量との強い相関関係
コンテナ輸送では、海運会社が船舶をどう配分するかを決めたり、海運会社・物流会社・荷主企業が運賃交渉を行ったりするときの判断材料として、「荷動き需要予測」に高いニーズがあります。そのため、大手海運会社にはマクロ経済の分析・検証を担当する社員がいますし、さまざまな金融機関やシンクタンク、研究機関が輸送動向の予測を行っています。
これらの予測は海運会社の株価予測にとっても有益な情報となっています。また、公共部門でもインフラ整備や環境対策を策定する上での基礎資料とするため、コンテナ輸送量の予測が行われることがあります。
コンテナ輸送は景気の影響を受けることから、この荷動き需要予測には、輸入国側の景気動向を参考指標として用いることがあります。マクロ経済学の教科書でケインズ型の輸入関数がGDPに依存する形になっているのを覚えている方もいるかもしれません。実際、コンテナ輸送量が輸入側の実質GDPと強い相関関係があることはよく知られています。
たとえば、2000年第1四半期~2019年第2四半期のアジア・米国間のコンテナ輸送量と米国の実質GDPの相関係数は0.81でした。
輸入国で景気好転が見込まれる場合、消費や生産が増えるために輸入需要が増加し、それに合わせてコンテナ輸送量も増加すると考えられるわけです。







