世の中には、上下の歯を接触させている方が落ち着く人も少なくないらしい。そんな無意識の習慣が、顎関節症に繋がっていたとは!

日常的に意識して歯を離す
習慣つけて2年で改善

 さて、その後、香奈さんはどうなったか?

 歯の治療中に思わずうめいてしまうほど痛むとはいえ、特に治療も受けないまま、10年間も我慢できたわけなので、病気としては重くはない。

 疫学調査によると、顎に何らかの異常を感じる人は全人口の7~8割にのぼるとされているが、このうち、病院で治療を受けている人は7~8%だけ。顎関節の症状を抱えている人に男女差はないが、患者数は女性が男性の2~4倍、それも若い女性と中年の女性に多いという。その理由は、女性の方が痛みを感じやすいが、痛みが強くても耐えられるために悪化させてしまい、病院を受診せざるを得ない状態になってしまうのではないかと推察されている。

 香奈さんは、症状を緩和させる方法を、書籍等で調べまくり、TCHの習慣(癖)を矯正する「3ステップ+仕上げ」までを実践するセルフトレーニングを実践した。

◆ステップ1

 自分はTCHだと認識する。
 こめかみと顎のあたりを指で押しながら、上下の歯を付けたり離したりして、歯を付けると筋肉が働き続け疲労し、また関節にも負担がかかっていることを認識し、「これはまずい」と実感する。