外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある20代の若手コンサルタントShin氏の処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が発売となる。本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだったShin氏。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。前回に引き続き、その理由を、赤裸々に語ってもらった。
落ちこぼれだったぼくの7つの問題点
【前回の記事】
「コピー1枚とれなかったぼくが、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーになれた理由【前編】」
最後の気力を振り絞り、なんとか休職状態から抜け出したぼくは、まず、なぜ自分ができないのかを必死に考えました。その結果、原因は次の7つに集約されました。
1.吸収力……指摘されても「右から左」状態
2.主体性……振られた仕事をこなすだけで精一杯
3.目標設定力……自分の現状と課題が理解できていない
4.思考力……何を、どう、深く考えればいいかわからない
5.資料作成力……資料作成の基本が身についていない
6.コミュニケーション力……上司と良好な関係が築けない
7.生産性……一つひとつの仕事にとても時間がかかってしまう
この7つは決して特別なスキルではありません。これらは「仕事ができる人が兼ね備えている力」とも言えます。個別の問題を解決するための本や情報は無数にあります。しかし残念ながら、たいていの若手はそれを実践してもまったく状況は変わりません。なぜなら、できる人がやっている方法をそのまま真似ても、ベースのスキルがない人にとっては意味がないからです。その情報を有効活用できるのは、すでにこの7つのスキルのレベルが高い、限られた一部のできる人だけなのです。
また、ぼくを含め、できない人がそれらのうち1つを改善しても、仕事の質は変わりません。資料作成が上手でも仕事全体の効率が悪いのでは評価されませんし、コミュニケーション力しかない人は、単なる「いい人」で終わってしまう可能性もあります。できる人は頭がキレるし、察しもいいし、積極的で人あたりもよくて、仕事が丁寧かつ速い。だから「仕事ができる」と評価されているのです。
「落ちこぼれ」から脱却するためには、1つだけを改善してもダメなのです。これら7つの問題点を1つずつクリアし、バランスよく身につけていく必要があるのです。不思議なことに、この7つの問題点を1つずつ解消していくと、ある瞬間、急に視界が開けたような感覚を覚えます。「そういうことだったのか!」と上司の指示や仕事の全体像、自分が何をすればいいのか(何がしたかったのかさえ)も見えてきます。人によっては、1つか2つ身につけただけで、急に7つの問題点すべてが解消されてしまう人もいるかもしれません。