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シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーではインターネットバブルがすでに始まっている

安藤茂彌 [トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]
【第47回】 2011年7月28日
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 2004年にはGoogleがIPOして、検索を広告に効果的に結びつけるビジネスモデルで大成功し一時代を築いた。そしてその後にSNSの時代が到来した。最初はMySpaceのほうが先駆者だったが、いまではFacebookが一大王国を築きつつある。それにTwitter、LinkedInが続いている。最近上場したベンチャーの実績と予想をまとめると次のようになる。

 こうした事態を前回のインターネットバブルと比較するとどうなるのか。前回のバブルは95年から徐々に始まり、2000年3月にピークを打って破裂した。主要銘柄の公開当日の株式時価総額は次の通りだった。

 売上が小さくて、利益が赤字でも時価総額が大きいのは前回と同じである。前回と大きく違うのは、公開時の時価総額の大きさである。YahooやAmazonと比べて桁が一桁違う。eBayが二桁で公開したのはバブルの崩壊する1年半前だった。Facebookの公開時の予想時価総額は驚異的である。三桁は前回のバブル時にも数社に発生したが、公開時ではなかった。本当にこの時価総額で上場できるのか?この価格で本当に公開できたら途方もない大バブルになる。

 こうしたベンチャー企業を上場させているのはVC(ベンチャーキャピタル)である。なかでもLinkedInを上場させたSequoia Capital、Facebookに投資しているAccel Partnersが突出した成果を収めている。彼らがどのようにして驚異的な時価総額を演出できたのだろうか。

 最近注目される現象は、VCが上場間近い有望ベンチャーの株式を少量だけ第三者に売却し、その時の企業価値を実績として計上し、上場したときの予想上場価値を押し上げていくやり方である。昨年11月にAccel Partnersは少数の手持ちFacebook株を第三者に売却した。そのときのFacebookの企業価値は350億ドルだった。同社のその後の成長を加味すると今のFacebookの企業価値は800億ドルでもおかしくないとなる。

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安藤茂彌
[トランス・パシフィック・ベンチャーズ社CEO、鹿児島大学特任教授]

1945年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱銀行入行。マサチューセッツ工科大学経営学大学院修士号取得。96年、横浜支店長を最後に同行を退職し渡米。シリコンバレーにてトランス・パシフィック・ベンチャーズ社を設立。米国ベンチャービジネスの最新情報を日本企業に提供するサービス「VentureAccess」を行っている。VentureAccessホームページ

シリコンバレーで考える 安藤茂彌

シリコンバレーで日本企業向けに米国ハイテクベンチャー情報を提供するビジネスを行なう日々の中で、「日本の変革」「アメリカ文化」など幅広いテーマについて考察する。

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