19日に始まった英国とEUの離脱協議では、移民規制に伴い英国にすでに住む移民の権利を保障することや、離脱前に英国が支払うEU予算の分担金など3分野を先に交渉することが合意された。 離脱後もEU単一市場とのアクセスを維持しようという柔軟派(ソフトブレグジット)が主張する自由貿易協定などに関する交渉は後回しになる。

 メイ首相は、ソフトブレグジットを主張する野党や経済界の説得しながら、EUとの難しい交渉にあたることになる。EUや国内の合意も得られないまま、「合意なし離脱」が現実味を増す。日本企業はサプライチェーン再構築を急ぎ検討する必要がある。

英・EU交離脱交渉スタート
自由貿易交渉は後回しに

 ブリュッセルで、EU側の交渉責任者Michel Barnier氏と初日の交渉を終えた英国EU離脱担当相のDavid Davis氏は19日、交渉にあたって、EU側があげた優先事項に単一市場へのアクセス権は含まれず、expats(既にEU在住の英国民と英国在住のEU市民)の市民権、金融決済、北アイルランド問題、そして1000億ユーロとも言われる英国からEUへの未払い分担金支払いが重要論点として挙げられたことを明らかにした。

 このうち、expatsの権利と金融決済については英国も優先事項としている。22、23日に開かれたEU首脳会議でも、メイ首相はexpatsの永住権や在留権を認める意向を示しており、これらに関する交渉が先に進むだろう。

 一方で、英国側がは同時進行的に進めたいとしていたEUとの自由貿易協定などのの交渉については、譲歩したことを明かした。交渉時期は、EU側の主張する「欧州議会が『交渉が十分に進んだ』と判断すれば通商関係について交渉を行う」というタイムラインにある程度、従うものと見られる。