こうした流れをたどるため、「歳入の7割近いカネは、神社に“還付”され神社本庁には残らない。頒布してもらうための“助成金”も出しているから、正確に言えばマイナスだ。だから、一般会計の歳入は48億7899万円となっているが、実際の収入は、寄付金や神職の資格試験などで得られる手数料など16億円程度に過ぎず、ある意味“自転車操業”的な運営だ」と神社本庁関係者は自嘲気味に言う。

 ちなみに、職員の給料もさして高くないようだ。ある40代の職員の場合、基本給は40万円程度。それに住宅手当や月に一度の宿直手当などがわずかに加算される。ボーナスは年間で「200万円くらい」(職員)だという。

全国8万社を束ねている割に
資産は94億円程度しかない

 そもそも、全国8万社の神社を束ねているわりには、神社本庁にそこまでの資産がない。下図を見ていただきたい。これは、14年度の決算資料を基にまとめた神社本庁の主な資産だ。

 宗教法人神社本庁のベースとなる「基本財産」として最も大きいものは、神社本庁の境内地と建物。それ以外は、職員が住む職舎と現預金くらいで、合わせても43億3185万円に過ぎない。このうち、百合丘職舎は、前回記事「神社本庁で不可解な不動産取引、刑事告訴も飛び出す大騒動勃発」で紹介したように、すでに売却されているから、今は40億円にも満たない金額となる(金額はいずれも簿価)。

 これに、以前、皇室と関係を維持するために使われていた資金がそのまま残っている「特殊財産」が1億8276万円、そして宗教法人として行う通常の活動費用に充当する「普通財産」が48億6182万円で、神社本庁の「正味財産」は93億7644万円程度なのだ。

 少し話がそれるが、普通財産の中には、歴史教科書を出版している教科書会社の株式や、「運用のことなど分からない担当者が、証券会社からうまい話を持ち掛けられて買ってしまい、後に大きな損失を出して内部で問題となった」(神社本庁関係者)エルピーダメモリの社債なども含まれているのは興味深い。

 こうして見ていくと、神社本庁には「政治力」「資金力」ともに恐れるほどのものはないことが分かる。それでも世間から不気味がられるのは、「外からその内情をうかがい知ることができないから」に尽きるのではないか。

 だが、現在の神社本庁には問題が山積し、組織がぐらついている。現執行部は、それを押さえつけようと強権を発動し、多方面から批判や不満が吹き出している。次回、その詳細についてお伝えする。

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