この資格試験はかなり難しいものだと聞きますが、これを取得することには大きな意味がありそうです。SEは年齢が高くなるとどうしても市場価値が頭打ちになります。そのままSEにとどまることは、少なくとも市場価値的には望ましいとは言えません。

 ある2人のSEの話を聞きました。両者ともこの資格取得を目指して猛勉強していたのですが、1人はその勉強を何とかものにして合格しましたが、もう1人は何らかの理由で途中で勉強を断念してしまいました。

 資格に合格した前者は資格取得後、数年を経て次々に仕事が舞い込むようになり、職務階層も上がり、さらに英語力を身につけたこともあって、今ではオフショア開発のプロジェクトマネージャーとして大活躍しています。

 一方、試験を断念した後者はSEとしての仕事は続けているものの、徐々に肩身が狭い思いをしているそうです。30代のわずか数年の間に、この2人の差は大きくついてしまったのです。

 このようにその後の立場が大きく異なる仕事については、資格があるのとないのとではやはり資格を取るに越したことはありません。もちろん、企業によってはこうした資格を必要としないところも少なくないでしょう。そういう意味では、資格がなくては仕事ができない医師免許とは異なります。

 しかし、人材の層が厚く、競争の熾烈な大企業や外資系などでは、こうした資格は重要だと考えられます。

資格を取っても
取っただけでは食えない

 もちろん、資格というものは取ればそれでいいというものではありません。学び直しの拠り所として、資格取得があるというのは目標がわかりやすいと言えると思います。ただ、資格取得はゴールではなく、あくまでも新たなスタートラインに立てるためのいわばチケットを手に入れることなのだと理解してください。

 資格は、「足の裏についた米粒」と評されることがあります。

 取らないと気になるけど、取っても食えない。つまり、「資格を取るしかないけど、取っただけでは食えない」ということです。なぜなら資格を取っただけでは、専門家にも、ましてやその道のプロにもまだなったわけではないからです。

 例えば公認会計士の資格を取ったからと言って、いくらでも仕事が舞い込むと思ったら大間違いです。スタートラインに立てただけです。医師も社会保険労務士もみな、同じです。

 士業にも競争があります。この競争に勝つためには自分なりの強みが必要です。資格を取ってからが、その道で売れっ子のプロになれるかどうかの本当の闘いが始まるわけです。