利上げを決めた金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=12月19日、日銀本店利上げを決めた金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=12月19日、日銀本店 Photo:JIJI

日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ、長期金利の指標である10年国債利回りも2%台に乗せた。変動は短期金利、固定は長期金利に連動するだけに、住宅ローン利用者の不安は大きい。中立金利、期待インフレ率、自然利子率、そしてタームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)を手掛かりに、利上げの終着点と10年国債利回りの上限を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

政策金利30年ぶり高水準に
変動・固定ダブル上昇の衝撃

 変動金利にせよ、固定金利にせよ、住宅ローンを抱えている人は気が気でないだろう。今後、期間の短い金利も長い金利も上昇が続きそうだからだ。

 変動金利は、日本銀行の政策金利の動向に、固定金利は長期金利、10年物国債金利の利回りの動きに応じて変動する。

 2025年12月19日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、0.75%とすることを決定した。政策金利が0.5%を超えるのは1995年8月以来、約30年ぶりの水準である。

 週明けの22日には、長期金利の代表的指標である10年国債利回りは2%を超え、一時2.1%をつけた。こちらは1999年2月以来、26年と10カ月ぶりだ。

 いったい、どこまで上昇するのだろうか。次ページでは、市場金利やマクロ経済データから政策金利、長期金利の行方を検証する。