韓国で発売したばかりの「キットカット」が、なぜ売れたのか。ブランデッドムービーは、「生活者にとっての価値」と「企業やブランド側からのメッセージや理念」の双方を両立する動画マーケティングコンテンツとして、いま非常に注目を集めている。リポート後編では、国内外の優れたブランデッドムービーを上映・表彰する「Branded Shorts」を取材。優秀賞受賞作や話題作の事例を紹介しながら、ブランデッドムービーの現状と未来を考察する。(文/堀 香織)
米アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017」は、企業のブランディングを目的として制作されたブランデッドムービーを上映・表彰するイベント「Branded Shorts」を6月に開催した。国内外問わず公募制で集まった作品は36本。最優秀賞の「Branded Shorts of the Year」は、インターナショナルカテゴリー部門では『Notes』(カナダ・トロントの文具店Take Note)、ナショナルカテゴリー部門では『THE WORLD IS ONE FUTURE, JAPAN, SOUTH AFRICA, AND AUSTRALIA』(トヨタ自動車)がそれぞれ受賞した。
『Notes』は、一組のカップルの初デートから結婚、出産、夫婦の危機、老後、そして別れまでを、互いが直筆で交わすメモのやりとりを軸に描く秀作だ。審査員長の映画監督・崔洋一氏は「非常にアナログな表現だが、一曲のシャンソンがひとりの人生を歌い上げるかのように、約4分に凝縮されたやりとりのなかにふたりの人生模様が見事に描かれていた。そこには男女という枠組みを超えた普遍性が込められている」と高く評価した。
◆インターナショナルカテゴリー部門最優秀賞受賞作品『Notes』(Take Note)