人間、“いい加減”くらいがちょうどいい。「まあ、いいか」「なるようになる」と思える心の余裕をもてば、不安や恐れも忘れることができます。新著『忘れる力』を出版した臨済宗 全生庵住職の平井正修氏に、ネガティブ思考から抜け出す方法を教授していただきます。
結果がどうなるかは気にせず
「なるようになる」と思えばいい
私は“いい加減”な人間です。
もちろん、こうやって禅の教えをお伝えすることや仕事には、真面目に真剣に取り組み、家族にもきちんと向き合っています。
ただ、心のどこかで、「どうにかなる」と思っているのは、たしかです。いや、「なるようになる」と言ったほうが近いかもしれません。ここが“いい加減”と言っているゆえんです。
決して、投げやりになっているという意味ではありません。努力はしたうえで、最後の最後は「仕方がない」と思っています。すべてに責任は持ちますが、結果がどうなるかはわからないものです。
だからこそ、途中は結果のことを考えないほうがいい。結果を忘れることで、余計なエネルギーを消耗することなく、やるべきことに注力できるのです。
たとえば、仕事で一所懸命に考え抜き、最善を尽くして準備したプロジェクトが、必ずしも成功するとは限りません。