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グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

2016年 
グローバリゼーションの崩壊

大西 俊介
【第1回】 2017年7月26日
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企業経営における「多様性」と「一様性」

 これは企業経営においても同じようなことがいえるのではないかと思います。

 終身雇用制を前提とした日本企業の多くは、結果として同質的な価値観を有するモノカルチャー、一様性の企業文化になっていると感じます。もちろん海外に事業展開し、M&Aなども活発に行っていく企業は多いですが、本社の経営層に他業界や他社での経歴を有する方や女性、もしくは外人の方を役員としてそれなりの数で受け入れている企業がどれだけあるでしょうか。

 外部からの要員を受け入れた企業もありますが、結果一時的にうまくいかない状況になったときに「それ見たことか」風な日本的ですが、ある意味、偏執的ストイックネスから、極端にそういった動きを排除することもしばしばです。

出所:2017 PwC Consulting LLC
出所:2017 PwC Consulting LLC

 平均的にみればおよそ決まりきった任期の日本の役員からすれば、まったく異なる発想や価値観を有する人材を受け入れることはリスクとはとらえても好機とは考えら選れない人が多いのかもしれません。

 異なる発想を有する人材が入ってくれば、それに対する“反応”が起きます。この反応を問題事象としてのみしか捕らえられない人もいるように思います。そのような経営層が進める海外事業展開など、全くの自己満足としか思えません。異なる意見を聞き、結論を導いていくのはそれなりに大変なもの、一様性の企業体質を維持しようとするのは経営の怠慢としか思えません。

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大西 俊介
[インフォシスリミテッド 日本代表]

おおにし・しゅんすけ/1986年、一橋大学経済学部卒業後、同年日本電信電話株式会社に入社、株式会社NTTデータ、外資系コンサルティング会社等を経て、2013年6月より、株式会社NTTデータ グローバルソリューションズの代表取締役に就任。通信・ITサービス、製造業界を中心に、海外ビジネス再編、クロスボーダーな経営統合、経営レベルのグローバルプログラムの解決等、グローバル企業や日本企業の経営戦略や多文化・多言語の環境下での経営課題解決について、数多くのコンサルティング・プロジェクトを手掛ける。NTTデータグループの日本におけるSAP事業のコアカンパニーの代表として、事業拡大に貢献した。SAP2017年1月1日、インフォシスリミテッド日本代表に就任。著書に「グローバル競争を勝ち抜くプラットフォーム戦略」(幻冬舎)等がある。

グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略

グローバル化とその揺り戻しともいえる保護主義が錯綜する世界のビジネス環境。そこで生き残る企業の条件を、外資系IT企業日本代表の立場で論考する。

「グローバル競争を勝ち抜く組織人材戦略」

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