Facebookのイベント機能を使わない理由

 大原屋の勉強会がうまく行っている理由は、店主の尾沢さんの熱意と人柄が大きいが、それにも増して、尾沢さんがFacebookという場所をよく理解していることだろう。

 たとえば、勉強会の参加受付をするために、普通であればFacebookのイベント機能を使うところだが、尾沢さんはサードバーティのイベント用アプリケーションを使っている。Facebookのイベント機能を使わない理由は、簡単で便利であるものの、イベントを立てると地域や関心にかかわらず友達全員に招待が送られてしまうこと。関係のない人に招待を送ったら申し訳ない、という配慮だ。

 確かに、「イベントスパム」という言葉があるほど、Facebookのイベント機能は一つ間違えると迷惑行為になり、逆効果になりかねない。このあたりをよく理解し、気遣いができることが、尾沢さんの成功の理由の一つ言えるだろう。

 実際に顔を合わせた交流を行うことで、参加者による輪ができる。そこから口コミが広がり、Facebook全体での認知が高まる。近くの人から遠くの人までが集まり、地域と店の利益につながる。大原屋のケースは、拠点となる場所を持ち、定例イベントを行うことで生まれる「リアルとネットの相乗効果」で集客できることを証明してくれている。リアルだけでは口コミが広がらず、ネットだけでは絆ができにくい。両方を行ったり来たりすることで、Facebookの活用がさらに広がっていくのである。


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