店の空き時間を使って月に一回勉強会を開催

 しかし、Facebookページを作っただけで集客できるほど甘くはない。そこで尾沢さんが考えたのが、「勉強会」である。

 始まりは、早朝の時間を使った「朝練」勉強会だった。TwitterやFacebookを使いこなしたい人のために店で勉強会を開催したのだ。参加者はノートPCやiPadを持ち込んで、参加者同士、わかる人がわからない人に教える。講師は特にいない。参加費は無料だが、飲み物や食事を注文してもらえるので、店の売上にもなる。

 カレーの大原屋で行われる「朝練フェイスブック」の様子

 参加者は自営業者や会社員、年齢層は20代から70代まで様々。レベルもFacebookを初めたばかりの人から中級者までいるが、みな一様に「Facebookを仕事に活かしたい」と前向きに考えていることが共通点だ。「Facebook」を中心に地域コミュニティが出来上がったのである。

 勉強会は基本月1回開催。最初は4~5人しか集まらなかったが、回を追う毎に人が増え、最近では20席が常に満席になるという盛況ぶり。朝は時間的に参加できないという人のために今月から夜バージョンの「夜連」も開始した。

 勉強会開催のメリットは尾沢さんが想像した以上に大きかったという。「勉強会で初めてうちを知った地元の人が、その後常連さんになってくれるケースが増えてきました」。勉強会によって地元への認知が高まったのだ。

 それだけではない。勉強会の参加者が、参加後にFacebookで大原屋のことについて投稿する機会が増え、Facebook内で次第に口コミが広がっていった

「びっくりしたのは、150キロも離れた豊橋や名古屋などからドライブでお店に来てくれる人が出てきたことです。関東や東北の方もいます。『TwitterやFaceebookでよく見かける、あのカレーの大原屋に行ってみよう』という感じで、飯田インターからすぐということもあり、休日のドライブの目的地にしていただいているようなのです」