ハンブルグで開催されたG20で会談する安倍晋三首相と韓国の文在寅大統領   Photo:YONHAP NEWS/AFLO

  7月7~8日にドイツ・ハンブルグで開かれたG20。首脳会談や個別会談における文在寅大統領の発言を通じて見えてきたのは、韓国の外交の中心課題が「北朝鮮問題で主導的な役割を果たすこと」にあることだ。

 そのため文大統領は、まず日米との関係で、北朝鮮への圧力の強化の必要性に同意し、協調姿勢を示した。しかし、その本心は、あくまでも北朝鮮の核問題を「対話」によって解決し、南北統一を進めようとしていることが見え隠れする。

 それは、文大統領が全ての会談において、南北対話の必要性を指摘したことがこれを立証している。特に、中国の習近平国家主席との会談では、対話による解決の方針で一致している。

 つまり文大統領には、北朝鮮に対する圧力は日米に委ねる一方で、韓国自身は対話路線によって北朝鮮との関係改善を主導しようという、したたかな意図が見える。

 では、G20前後の動きを通し、韓国の姿勢を検証していくことにする。

復活で合意した
シャトル外交

 7日午前、安倍晋三首相と文大統領は会談し、年に1回、お互いに相手国を訪問する「シャトル外交」の復活で合意した。日韓のシャトル外交は11年の秋以来中断してきたものであり、これを復活させ、日韓関係全般を前向きに進めようとする文大統領の姿勢は、一応評価に値するであろう。