2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』がついに刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

組織の違和感Photo: Adobe Stock

「あなたって◯◯だよね」

「控えめだよね。リーダーについていくタイプでしょ?」
「おっとりしていていいよね。全然怒らなそう」
「真面目だから、○○とか興味ないよね」

 昔勤めていた職場で、よくそんなことを言われた。

「ん? 私ってそんなだろうか?」と思うことはあるが、いちいち反応するのも面倒なので「そう見えますか?ははは…」と流すことも多かったように思う。

 よく言われるということは、そうなのかなという気もしてくる。

「あなたって◯◯だよね」は、本当なんだろうか?

違和感は、自分自身を知るきっかけになる

 組織開発コンサルタントの勅使川原真衣氏は、『組織の違和感』(ダイヤモンド社)の中でこう言っている。

いかにも日本企業的な、「空気を読む」「折り合いをつける」ことが上手な人ほど、自分自身のことを見失っている可能性があります。「愚直に相手のために尽くしてきた」人たちです。

 ――『組織の違和感』p.82より

 私は「愚直に相手のために尽くしてきた」とまでは言えないが、周囲の期待に応えようという気持ちは強かった。
「あなたって、こういう人だよね」と言われると、そう期待されているのだと感じてしまうところがある。そして、期待に応えようとしているうちに、自分でも「私はこういう人なのかも」と思ったりする。

 でも、人に言われたことに「ん?」と違和感をおぼえるなら、本当はそこをちゃんと掘ってみたほうがいいのかもしれない。

『組織の違和感』(ダイヤモンド社)にはこう書かれている。

どうでもいいことは、違和感になりません。これまで自分なりに組織の中で頑張ってやってきた。それなのに勝手に決めつけられた。そんな、自負を踏みにじられたような、自分にとって大切なこととずれた瞬間に、違和感が発動するのです。

 ――『組織の違和感』p.84より

 確かに、「あなたってこうだよね」が自分の大切なこととずれていたら、苛立つだろう。
 勝手に決めつけるな! と言いたくなる。

 裏返せば、「あなたってこうだよね」と言われたときに反発したくなったら、そこには大切な価値観が隠れているというわけだ。

 違和感が自分自身を知るチャンスになるのである。

 本書は、違和感を手がかりにして組織を良くするための方法が書かれているが、まずは「自分自身を知る」というのが面白い。自分を知ってから、相手を知り、そのうえで「組み合わせ」を考える。そうすることで、一人ひとりの持ち味をいかした、いい組織を作っていくことができる。

 自分の本音がわからなくなっているかも……という人は、違和感に着目してみてほしい。

(本稿は、『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』の発売を記念したオリジナル記事です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。